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ポッカサッポロフード&ビバレッジが少量ながら自社生産を始めたレモン農園=広島県大崎上島町、同社提供
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 レモンの果汁飲料で知られるポッカサッポロフード&ビバレッジ(名古屋市)が、レモンの国内生産に本格的に乗り出す。自社製品の原料はほぼすべてを輸入に頼っているため、為替や天候によるリスクの軽減が期待できる。国産品は割高なものの、付加価値の高い製品開発をめざす考えだ。

 同社は昨年7月、静岡県磐田市や地元農協と協力し、レモンの大規模生産に取り組むことで合意した。調味料の「ポッカレモン」や飲料の「キレートレモン」などの原料となるレモンは、温暖な気候でなければ育たない。そのためアルゼンチンやイスラエルなどからの輸入品が主で、国産品の使用割合はわずか1~2%ほどにとどまっている。

 海外依存には円安による原料価格や輸送費の高騰、天候不順、病害による不作といった不安定要素が付きまとう。2019年から広島県の大崎上島で自社栽培を始め、製品にも使ってきた。ただ、平地が少ない瀬戸内地方では栽培面積が限られ、少量生産にとどまっていた。国内生産の促進はこうしたリスクを分散する狙いがある。

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 レモンの新たな国内産地を探…

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